恐怖分子の作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「恐怖分子」に投稿された感想・評価


哀しい。

様々な人物が登場する群像劇ではあるが、結局は一人の男性の物語へと収束していく。

台湾は日本と距離が近いこともあって、何となく街の雰囲気や、感性が少し似ている気がする。だからこそ生活をそのまま切りとったかのような映像に心をえぐられる。

何となく、ハネケの「セブンス・コンチネント」を思い出した。
「ひょっとして、私ってエドワードヤンそんなに好きじゃない」説浮上。
エドワードヤンは人間が崩れていくさまを撮るのが本当にうまい。いわゆる「ふつうの」思考状態から外れていき、静かに壊れていく様子を音楽もなしに役者とその画面構成だけでやってのけてしまう。

そう、画面構成。私はエドワードヤンの映画ならば、たぶん誰が監督かを知らされずともその映画を見たら彼だとすぐにわかる自信がある。利き酒ならぬ、利き映画。それは当然、私がすごいんじゃなくて、ひたらすらに彼の力。唯一無二のものを撮れる人だ。
人がその空間を立ち去った後に残る不在の濃さ。暗闇と光の転換、灯りがつくとそこには今まで存在しなかった(目に見えなかった)空間が現れる。物と物の間に見え隠れする人の顔。
空間の認知能力がとても高いんだろうな。図形的な感覚も。外に開いた窓に反射で遠くにいる高層マンションの窓を拭きをする人がうっすら写るところなんて、もう。(牯嶺街少年殺人事件のときも似たようなことをそれもペンキの塗られた白っぽい扉を使ってやってたねぇ。あれも凄かった)

真っ暗闇の中で何かを壁に貼り付け続ける少年。巨大なモザイク画のような写真を見たとき私もシューアンと共に失神するかと思った。
少しずつ精神がずれていくリーチョンがおそろしくて見ていられなかった。夕陽はいつものように病院を染めるのに。きっかけなんてそこら辺に転がっている。私が今のとこ大丈夫そうなのはただの運だ。こわい。静かにずれていってしまう。いろんな要素が噛み合って違う方にじりじりと自分でも気づかぬまに進んでいるのかもしれない。悲劇は突如起きない。きっかけは一つじゃない。

「煙が目にしみる」で繋がれる二つの世界。自分がこちらに立っているという自信はある?
これ以上好きな映画に出逢えない!!!
レナ

レナの感想・評価

4.2
静かなのに、密度が濃い。エドワード・ヤン監督の作品は3本目だけど、毎回美しさに惚れ惚れする。この映画の「恐怖分子」である少女がなんとも魅惑的。

説明的でないからこそ、不協和音の連鎖を想像させて恐ろしい。不安をかきたてる吸引力がずっと持続していて、前に見た2作よりもとっつきやすく楽しめました。
様々な登場人物の人生に加えて、小説、幻想、現実が混じり合うのも、単なる群像劇を超えていて素晴らしいストーリーテラー
okoge

okogeの感想・評価

3.6
美しい映画だった。
構図やインテリア、服に至るまで全てが洗練されていた。
これが80年代の作品とは思えない。
淡々としたストーリー展開にどこか薄暗いけど美しい映像。少し白昼夢みたいな感じ。
台灣の作品をもっと知りたくなりました。
A

Aの感想・評価

3.6
第78回アカデミー賞作品賞の『クラッシュ』のような、関係の無さそうな人々のストーリーが繋がっていくつくり。
淡々とした物語や光と影を印象的に撮るエドワード・ヤンの作風はあまり僕の感性とは合わないようだけど、そんなつくりでありながら全く眠くならないほどの魅力は持っていた。
ふおお、、、まさに恐怖
いろいろと不安定すぎて、

エドワードヤンに心を乱された、夜中の12時半