JIZE

パーフェクト・センスのJIZEのレビュー・感想・評価

パーフェクト・センス(2011年製作の映画)
2.8
五感を襲うパンデミックな謎の疫病と未知で繊細な人類愛が絡み合う穏健な終末映画!!意識や自覚,警告はあるも状況に適応せず欺瞞的な姿勢で日々を謳歌し他人事だと見栄を張る者への規範を尊ぶ風刺だろうか..観る側次第で倫理観を揺さぶられる映画だった..要は娯楽映画な骨格で観客を時に楽しませ最後に結論を分厚く畳み掛ける気の利いた万人向けの映画ではないんだ。まずパニック映画やディザスタ映画に歩幅を合わせず独創的な切り口で描いた事自体は映画そのものが貴重でそこら辺のニュアンス込め不思議な寛容度を帯びシームレスで穏健な映画だった。ただ一方で,中盤ショッキングな描写で拒否反応を起こす人も賛否両論を込めいるだろうなと思えた..要は人間が常軌を脱し本能を剥き出しに行動を起こす荒唐無稽な様。そういう視点でさ全体的にドキュメンタリ性が濃く効き問題提起にほぼ全領域の焦点を当て終始してる為かそこ1本に警鐘を鳴らす偏った表現で窮屈なお話でもある。まず作品が悟る方向性自体は結構な寒色寄りのバラード調。世界の情勢を悟る客観視点と現在視点で進行する人物視点での2パートで構成。この映画の最も重大な設定は五感を失調する(本作のマクガフィンである)感染症が何の前触れなく突如訪れ次第に世界全域に拡散する突発的な深層心理を突く恐怖感だと思うんだけど知的財産に頼り富や権力で窮地を脱しようともがく人類側と嗅覚,味覚,聴覚,視覚の順で五感が失調する原因不明な奇病が世界中に発生するパニック側の均衡性を保った状態で淡々とお話が進み明確な結論を敢えて描かない構成も結果振り返れば良い。また理屈では説明し難い第六感の肯定も希望の象徴で切なく胸に染みる。最愛なパートナーと頬を寄せ合い穏やかな終焉を迎えるれる人は世界中にどれ程いるか到底計り知れないけど身近な友人,家族,恋人,親戚など当たり前の存在を敬い存在自体を意識する事は有の世界を生きる我々の孤独を解消する光だ。人類の滅亡は地球外生命体の侵略や小惑星の衝突だけとは決して限らないだろう。人間が如何にチッポケな存在であり壮大な愛を感じ合える生物である事を胸に仕舞いかけがえのない時間を敬いたい。俳優陣ユアン・マクレガー&エヴァ・グリーンの静寂な空間で交わすやりとりも迫真の演技だったと思います。晴れ渡る涙ボロボロ系な映画ではないので社会派なパニックに襲われ冷静で誠実に"今"を生きる題材に興味が湧いた方は断然お勧めです。