映画学校卒業後に作られた「第2の処女作」であり、ペレストロイカまで上映が禁止だった問題作らしいが、もはや潔いくらいにまったく意味が分からない。しかしまったく退屈ではない90分であり、無関心でなどいられない90分。舞台は一応第一次世界大戦のさなか、どこぞの船型の家で、周りの様子にはまったく無関心な、皆どこかしら頭が狂った者達が、興じる謎の恋愛劇で、そうこうしてる間にツェッペリン号に爆破され、周りは洪水になり、船型の家はさながらノアの方舟と化す…と、自分がこの作品を観て掴みとれた断片情報は以上の様なものである。時折戦時中の記録映像が挿入されるあたりは『孤独の声』に似てるし、暗い階段を老人が行ったり来たりするシーンなんかは後の『太陽』そのものだったりするけど、先に書いた様に全くもって理解できる作品ではない。バーナード・ショウの『傷心の家』を原作としたファンタジーだそうだが、きっとおそらくは原作を読んだところで…である。誰か解説を求む、完全にお手上げ。