広川なつき

ブレードランナーの広川なつきのレビュー・感想・評価

ブレードランナー(1982年製作の映画)
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原作とは違うってことを理解してから改めて観るとさらに面白かった。
それにしても何度見てもオープニングのテロップがロックマンみたいなファミコンソフトとかの説明書に書いてあるやつっぽくて好き。ロックマンに出てくるレプリロイドっていう言葉の元ネタはこの映画?
ゲームっぽい世界をすごい特撮技術で映像化したみたいな感じで楽しい。ギラギラした画面が昔のサイバーなコンピューター感。
そしてそういう面白さもあるんだけど、異様な雰囲気と迫力で映されるラストバトルとその結末の為にこの映画のすべてがあるのかなあと思う。なんて言ったらいいのか分からないくらい凝縮された雰囲気が満ちていて、最後は呆然としてしまう。
原作とはまた違ったテーマみたいなものを迷うことなく、物語を通したからこそ見えてくる最後に描けていることに価値があると思う。
核戦争の後の死の灰が降る原作の世界はひたすら死のイメージだったけど、映画の、繁栄を極めて酸性雨の降る世界はすごく生きてる感じがした。人造人間にすら生命力がある。
そして最後に語られるのも、原作は生きることだったけど、映画は死ぬことが語られて終わった気がする。そのシーンのにじむ画面と音楽が綺麗。
広川なつき

広川なつき