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ブレードランナーのvilljobbaのレビュー・感想・評価

ブレードランナー(1982年製作の映画)
3.7
最新作に向けての予習。

後の多くのSF映画に影響を与えたと言われる、当時としては斬新な世界観が舞台。人造人間「レプリカント」たちを狩るブレードランナー(演:ハリソンフォード)が主役。
らしい。

このような退廃的な近未来は、大好きです。
終始降る雨(酸性雨らしい)が印象的。
主人公のハリソンフォードには、守るべき妻子もいない。人造人間レプリカントは自身の生に忠実に、法に抗い生きている。街に密集した多国籍な人々。幸せそうな風景や、希望を匂わせる近未来描写・技術もない。すばらしいね。

世界観そのものの構築だけでなく、これを見せる技術も凄かった。
80年代の映画ってこんなに映像凄かったんだ。空飛ぶ車も近未来ピラミッドも、すごくリアル。

当時の国際情勢を反映しているらしい、外国に押されまくってるアメリカという姿。日本語の広告や屋台がたくさんでてくる。当時の日本は意味不明に急成長していて、アメリカと肩を並べる超大国になりかねないと恐れらていたのがよく分かります。
最近のハリウッド映画における中国の台頭を思い出します。そんな中国も、本作でも割と目立ってた。中国語がいっぱい。
多言語アナウンスは、英語とドイツ語と日本語。ドイツも「ライン川の奇跡」と呼ばれる敗戦後の急成長を遂げ、工業界を支配していた。
興味深いのは、ハングルも見つけたこと。60年代までは最貧国であった韓国も、日本やドイツもビックリな急成長を経済面で遂げました。当時はまだ成長を始めて間もない頃だったと思うけど、現代での立派な姿を予見していたというのか……!
ロシア語は無かったね(笑)

ストーリーは、当時観ていれば斬新だったのだろうけど、目が肥えた現代人の私には、刺激が少なかった。
でもレプリカントの倫理観には注目。今年公開の次回作では、ストーリーに大きな期待を抱くことにします。
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