このレビューはネタバレを含みます
[人間はどこから来るのか]
ブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)がレプリカントを仕事として殺していく。しかし、レプリカントと人間の区別がほとんど無いので、観ているうちにまるで人殺しのような気分になる。一方、レプリカントのロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)は、自分の存在の理由を知る為に人間を殺していくが、死ぬ直前にデッカードの命を助ける。
この場面が最高に泣かせる。ロイ・バッティの方が人間らしい。そして、まるで自分の魂をデッカードに引き渡したかのようだ。レプリカントの4年という寿命から、人間の寿命とは何なのか、人間はいったいどこから来たのかという事をまでもこちらに突き付けて来る。
久しぶりに劇場公開のオリジナル版を観る。私は、デッカードの独白と最後の遠景の映像があるこちらの方が好き。レイチェル(ショーン・ヤング)の寿命がもっと長いという説明は余計だろうが。
ヴァンゲリスの音楽は本当に素晴らしい。やや古さはあるもののシド・ミードのデザインの都市をはじめとする映像も美しい。1982年の劇場公開時に観て以来、好きな映画。(2017.10.29)