このレビューはネタバレを含みます
以前からこの映画の存在は知っていたが、やっと思い立って観ることができた。
ロバートデニーロとロビンウィリアムズの演技によって、単なるノンフィクション物にとどまらないものに昇華されている。
レナードの劇的な回復、そして再発。レナード本人や母親は生きる喜びを再認識してしまったがゆえに、より苦しむことになってしまっている。
しかし、回復しなかった方が良かったとは決して言えないのではないか。ひと時でも家族との心からの再会、娯楽に興じる日々、新しい発見を得ることができたこと。失われた30年や健康な日常は戻って来なくとも、それらは患者たちや周りの人々の意識からは消えない。
パーキンソン病(及び症候群)患者本人の苦しみは他者からは計り知れない。意識はあるのに想いを伝えられない、思うように動くことができない、自分が自分でなくなる。その経過を見ることしかできない家族までも辛くなるのだから。
病気と闘っている患者をただ可哀想だという目で見るのではなく、一生懸命理解しよう、共有しようとしてくれる人の存在が不可欠なのだろう。
みんなでダンスパーティーに行くシーンが一番幸せ。
みんなが硬直したままボールを投げ合うシーンは適度なシュールさで好き。