SHOHEI

レナードの朝のSHOHEIのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.3
神経病患者の入院する病院へ赴任してきたマルコム・セイヤー医師。患者との付き合い方に苦労しつつ、真摯な態度で彼らと向き合う。セイヤーは重病の患者レナードとの触れ合いを通して病気のある特徴を掴む。レナードの家族の了承のもと試験中の新薬を彼に投与したところ、レナードは病気から一時的に回復し会話ができるまでに。やがてレナードはポーラという女性と恋に落ちる。

オリバー・サックス医師の自著をベースにした医療ドラマ。デ・ニーロを含め患者役の役者たちの演技はもちろん素晴らしいが、医師役を務めるロビン・ウィリアムズのシリアスな演技は互角以上。コメディアンの印象が強かっただけに実直な演技派としての彼の凄まじい腕前を見せつけられた。ストーリーはフィクションかと思うほど感動的かつ奇跡的な内容。レナードとポーラの恋愛要素に限っては創作らしいが、自由を求めるレナードの姿が克明に描かれていて素晴らしい脚色。順調すぎて都合のいいファンタジーに見えてくる物語もラストはしっかりした着地が用意されており現実的な内容に落とし込んでいる。この塩梅が絶妙。患者の人権、失われた人生を描くことで当たり前の幸福を実感させてくれる大名作。
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