タマユキ

レナードの朝のタマユキのネタバレレビュー・内容・結末

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人生で一度は必ず観るべき映画とはこういう作品のことだと考えさせられました。
生の美しさ、時をゆく者の儚さがひしひしと感じられます。

そしてロバート・デ・ニーロの熱演がとにかく印象に残る作品です。
そして原題であるAwakeningsも、この作品を観てからは確かにと思わせられます。(原作はレナードだけにスポットが当たってるわけではないみたいですが)
そして私は、レナードがポーラを気にして、その様子をママが見て女なんて!!!と憤慨するシーンで思ったのですが…。ここのときのセイヤー医師の「彼は(子どもじゃなくてもう)大人ですよ」という対応のときに、先生…看護師さんのこと実はめっちゃ超意識しすぎでしょ!!と(笑)
そんな視点で見てたのに、涙なしでは見られない映画でもありました。それについては↓に書きました。

闘病する患者と、それに立ち向かう医者。
セイヤー先生とレナードの友情が描かれているのですが、最後まで観てレナードが結局完治しないという結末を観てからは、先生がどんな想いでカメラを回していたのかと胸が余計に締め付けられました。

途中で涙が止まらなくなったのは、まずはレナードが回復して30年の時を経て母と再会するシーン。家族愛モノに弱いので、お母さんの気持ちにも感情移入して観ていました。
後に発する、息子が健常であることを幸せだと思わなかったけど、病気が発覚したときはなんて不幸なんだと思ったという部分に、母の想いが溢れていました。

ポーラが病気が進行するレナードとダンスするシーン。短いシーンでしたが、ポーラが毎回どんな気持ちでレナードに会いに来ていたのか、このシーンを観れば全てが伝わって来ます。
愛はやはりどの時代も美しいものですね。

そして最後はセイヤー医師がムービーを見ながらレナードとの友情を認識するところ。
人付き合いが苦手だったセイヤー先生が、レナードのために献身的に尽くした日々。

流れ行く日常の中の、些細な変化や喜びに気づきたいと思える作品でした。
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