あでゆ

レナードの朝のあでゆのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.3
30年間昏睡状態だった男レナードが、奇跡的に意識を回復した。セイヤー博士の治療が功を奏したのだ。博士はその治療を、他の患者にも適用してめざましい効果をあげる。

ロビン・ウィリアムズの作品は一通り観たことがあるがあまりに忘れていたため再見。物語としても完成度の高いノンフィクションの傑作。

というか、全く知識がなかったもので今ままで本作は実話の体をなした『FARGO』のようなフィクションだと思ってたんだけど、マジの実話なんだな。そうして調べた後だと、ロバート・デ・ニーロ演じるレナードの一瞬の輝きがより響く。
特に誰もがいう通り、食堂でのダンスは本作の白眉。1回転ごとにレナードの痙攣が落ち着き、最後にはとても紳士な面構えをしている姿が印象に残る。

『カッコーの巣の上で』など、この時代はこういった閉鎖病院の中で人間を人間として形作るものは一体なんなのかということについて問いかける作品が多くある気がするのは時勢だろうか。
セイヤーが恋愛に目覚めたり、医者たちが関わり方を改めたりする事象を通して、病院の中の出来事としてだけではなく、本当に私たちは地に足をつけて生きることができているのだろうか、その事が問われている。
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