ウサミ

レナードの朝のウサミのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.1
ロビンウィリアムズとロバートデニーロ、二人の名優がなぜ名優たるかがよく分かる作品。

「命の尊厳」という難しいテーマを、重苦しく描くのではなく、明るく希望に満ちたような描き方をしているのが印象的。ゆるい気持ちで観れる映画というわけではないですが、鑑賞後の後味は非常によく、人におススメしやすい名作だと思います。

ロビンウィリアムズ演じるセイヤー博士が、昏睡状態の患者と向き合う物語。
多くの医者たちが「死んだも同然」と諦める中、解決策を模索するセイヤー博士の姿がなんとも魅力的。こういう役、本当にロビンウィリアムズ良いよなぁ。

少しずつその糸口が掴めてくる過程がしっかり描かれていて、結構「楽しい!」というワクワクするような感情と共に観た前半戦。
そして、映画は少しずつ表情を変えて行き、重いテーマと向き合う機会を観るものに与えてくれる。

この患者の一人を務めるのが、ロバートデニーロで、彼の無垢な笑顔と、生きるために闘う姿が涙を誘う。
さりげないシーンやセリフ、細やかな表情で、結構な頻度で琴線に攻撃を仕掛けてくる。

人間を人間たらしめているものは何か、それは生きているということ。
ならば生きているということは何か?それは息をするだけのこと?

セイヤー博士の行いは、たしかに残酷な結果をもたらしたとも言えるかもしれないが、犠牲のもとに成り立つ医学という世界の中で、人間を人間として目覚めさせるために戦った彼の姿は尊く美しい。
そして、一瞬の輝きに人間の尊厳を見出した患者たちの姿も同様である。
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