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テラビシアにかける橋のtarikuのレビュー・感想・評価

テラビシアにかける橋(2007年製作の映画)
5.0
小学生の頃に原作を祖父から貰って以来、ずっと大切にしている作品。映画化されてるのは当時から知ってて、ずっと観たいと思っていたのがようやく叶った。

子供の頃に触れた児童文学の感想を文字に起こすのは難しい。親って理不尽だよね、秘密基地ってワクワクするよね、死ぬって悲しいことだよね。大人になった今では容易に言語化できるが、言語化できず感受性だけを頼りに心に刻みつけたあの頃の感覚を、今改めて文字に起こすとどうしても陳腐にならざるを得ない。そういう当たり前の感情は、子供が初めて出会い、圧倒的されるからこそ素晴らしいのだと思う。

僕も再びテラビシアに触れて、あの頃ひたすら悪者に思えた家族は苦労人だったと知り、なんだか嘘くさく思えた教師も子供の目線に立とうと必死なのだと分かった。きっと幼少の頃にこの作品に触れてなかったら、子供の成長や純真さが~とか、大人の事情が~とか、そんな上澄みでしか語れなかっただろう。でもこれ以上冗長に喋っていたら、周りの大人と何も変わらないじゃないか、と子供の頃の自分に怒られてしまいそうだから、最後に児童文学万歳とだけ述べて終わりにする。
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