カミワザ

テラビシアにかける橋のカミワザのレビュー・感想・評価

テラビシアにかける橋(2007年製作の映画)
4.5
パッケージからファンタジー色強い印象を受けますが、物語は繊細に描かれた人間ドラマが主軸。

絵を書くのが好きな少年ジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)と転入生で妄想好きなレスリー(アンナソフィア・ロブ)は、家の裏の森を「テラビシア」と名づけ、空想の国で日々冒険を楽しんでいた。

この空想の世界に入り込む迄の構成が丁寧で、物理的な物に命を吹き込む子供ならではの表現を描くのが実に上手いんです。

雪国育ちの私も子供の頃を思い出す。雪山を掘って秘密基地を作り、大量にこしらえた雪球は攻撃用ミサイル。軒下のつららを剣に見立て、雪だるまの怪物と対峙していた。
そんな、少年期の思い出が懐かしく込み上げます。

それと、アンナソフィア・ロブの笑顔に惹かれます。
初めてターザンロープで遊んでいる時、「空を飛んでるみたい」と見上げる笑みが忘れられません。
彼女の存在が魅力的だったからこそ、後半のジェスの心の揺らぎはほんとに辛く響いた。

唯一、子供の頃の記憶を思い出させてくれる大切な作品。
そういった意味では大人にこそお勧めのファンタジーだと言えます。
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