Taul

ロスト・イン・トランスレーションのTaulのレビュー・感想・評価

4.0
『ロスト・イン・トランスレーション』BS録画で鑑賞。初ソフィア・コッポラ。敬遠してたが素晴らしかった。これは監督がかつて異国で寂しかった自分をぎゅっと抱きしめてあげたいと思って撮った作品では。ナルシズムにならず中年男の視点とその関係を入れたのが秀逸。東京の描写も実に的確だった。

設定に無縁の自分でも、新しい環境に入った時の疎外感や人間関係がこじれた時の孤独を思い出し、感情移入できた。プライベートな経験や感覚を気負わず描いたので普遍性を持ったのではないだろうか。恋愛や教訓臭くない心の触れ合いで終わる粋。誤解を恐れずに言うと最高の雰囲気映画ではないだろうか。
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