アキラナウェイ

ロスト・イン・トランスレーションのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.6
近所のGEOにないから遠くのTSUTAYAまで借りに行ったよシリーズその8

GEOにもない。
Netflixにもない。
そうだ!TSUTAYAに行こう!

女優業ではぱっとしなかったソフィア・コッポラが監督として大成功を収めた作品。調べてみたら、彼女、スター・ウォーズ EP1/ファントム・メナスにも出ていたとか。え…どこに?

女性だからなのか、まだあどけなさの残るスカーレット・ヨハンソンを抜群の透明感で映し出していたのが印象的。
冒頭もスカヨハのお尻からスタートだしなぁ。

サントリーのウィスキー「響」のCM撮影の為に来日したハリウッド俳優ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)。夫婦の倦怠期を迎えていた彼は東京の喧騒の中で孤独を感じていた。同じホテルに滞在するシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)もまた、写真家の夫に付き添って来日したものの、同じ様に孤独を感じていた。やがて2人は惹かれ合う。

言葉が通じない外国、ニッポン、トーキョー。
グッドモーニング、ハロー、センキュー、彼らは笑顔で迎え入れてくれるが、言葉も心も通じてなどいない。

CM撮影の様子も、藤井隆のトークショーに出ている様子も…痛々しい。日本人があくまで日本の土俵で外国人に相撲を取らせる様な描写。でも当たっている。日本人の現実。

恋だとか、愛だとかとも少し違う。
孤独な心が共鳴し合う。

何が起こる訳でもないから退屈だけど、ホテルのバーで語り合う時も、東京の夜に繰り出す時も、2人は本当に楽しそうで、ずっと見ていたい不思議な感覚。

切ないラストシーン、ボブはシャーロットの耳元で何を囁いたんだろう。

外国人と日本人。
夫と妻。
老いと若さ。

皆んな結局孤独だし、自分の心をtranslateする事なんて出来ない。そんな中でたまたまchannelが合った人とは、少しでも長く一緒に居たくもなるよね。

派手さはないけど、そんな心と心の触れ合いを実に丁寧に描いている。

channelが合えば傑作だし、合わなければ何を言ってるんだかわからないだろう。

そう、何せ人間って皆んな孤独なんだ。
それを描くにあたって東京は最高のロケーションだった。