せびたん

切腹のせびたんのレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
3.8
前に観て名作だと思った記憶があります。あの頃とてつもなく残酷にみえた切腹させるシーン、かっこよかった剣劇シーンを今観たらどう思うのか興味があったので再鑑賞。

剣劇シーン(ていうか殺陣っていうのかな?)。今見てもかっこよかったです。
迫力がすごい。
ふたりの武士の決闘シーンがめちゃかっこいい。
ひとりはなんだか厨二病っぽいポーズをします。

役者さん達の顔付きが精悍で運動能力が高いからですかね。みんな刀をちゃんと振れてたような気が。これは昔の邦画全般にいえることですが。

切腹シーン。めちゃ怖かったけど、切腹シーンにコメントする前に、本作のストーリーのさわり部分を紹介させて頂きます。
これ読んでから切腹シーンの話を読んでもらえましたら、多少は本作に興味を持ってもらえるかもと思いまして。
ですがこのあらすじ、かなり長くなったので、飛ばして読んでも問題ないように書いてみたつもり。



(あらすじ・ここから)
関ヶ原の戦いが終わり、街に浪人があふれかえっていた時代。食い詰めた浪人の中には武家屋敷へ押しかけて「今の自分の窮状が許せない。切腹して果てたいので玄関先を貸してほしい」と言いだす者がいた。しかし彼らに本気で切腹するつもりはなく、相手を困らせ金銭(追い払い代)をせしめる強要り・タカリだったのだ。諸藩の屋敷が面倒なことを回避するため金を与えて帰していた結果(いわゆる武士の情け?)、この行為が横行するようになっていた。

しかし硬派な?ヤカラな?原理主義な?武士道精神で知られる井伊藩は、自らの武士道精神に照らした上でそういう風潮をよしとせず、タカリにきた浪人に本当に腹を切らせたことがあった。その処置を世間に知らせ、見せしめにするためだ。その浪人はそのときすでに刀を売り払っており竹光しか持っていない状況だったが、脇差を貸し与えることもなく、その竹光で腹を切らせたのだった。
数ヶ月後。またひとりの浪人が「腹を切りたい」と井伊藩の屋敷を訪ねてきたのだが…

(あらすじ・終わり)



そんなわけで切腹シーン。
まじで怖かったです(2回目)。
大勢の人間が見ている中で、腹を切る気がなかった人間の逃げ道を断って竹光で腹を切らせるという。しかも「古式に則り縦横十字に切るまで介錯はしない」という冷酷さ。

武士道にもとる行為に対する見せしめにするつもりだからそうなるというのは分からないでもないけれど、もはや正義とはいえないやり方ではないのか?なんてことを交通違反の取り締まりをするお巡りさんたちを思い出しながら思いました。あの人たち、こっちがちゃんと交通規則守ってるとたまに悔しそうに睨むんだよなあ。あれはよくないんじゃないかなあ。
本音があるのは分かるけど建前が大事な職業だから気をつけたほうがいいんじゃないかと思ったり思わなかったりです。