Gak

切腹のGakのレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
4.6
圧巻だ、、、
やっぱり時系列の一番最近の状況を提示した上で、回想に入り時間が現在に追いついていくという構成にするだけで臨場感緊張感が段違い。
全く関係ないと思っていた二つの切腹志願者が繋がり、さっきまでどういう感情、どういう情報量でそこにいるのかわからなかった主人公の秘めたる思いがわかってくるにつれ、現在という時間に強烈なサスペンス性が生じる。観客は同時進行でそのサスペンス性を浴びることができる。

さらには殺陣が最高レベルにかっこいい。
映し出すアイテム、からのカメラワークにより人間の表情に移る流れもスムーズで効果的。

種明かしが済んだあとは、ああすればよかった、いやこっちは間違ってないという、派手さはないひたすらなディベート、論理合戦。
おもしろさの最大要因の一つが、ディベートであることがよくわかる作品。
古沢良太。
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