ヒラリー

切腹のヒラリーのレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
4.4
タイトルからして強烈
飢えで苦しむ浪人の間で玄関先で切腹するという強請りが流行っていた。
玄関先で死なれるのは困ると金品を与えていたが毎度毎度こうしてはいられぬ。
それなら本当に切腹せよと逃げ場も時間も与えずやらせ、一人の男が死んだ。
そしてまた一人の老浪人が切腹するので玄関先を貸してくれと尋ねてくる。
この老浪人は金をせびるわけでもなく、切腹をすると3人の介錯人を指名
生憎3人ともおらず、切腹を前に老浪人が身の上話を始める…。
2時間ちょいの尺、どこにも無駄が無い。
冒頭の切腹からの老浪人の訪問と語り…
あまりに理不尽な世、困窮する生活、愛する我が子
現代に生きてる上、作品を選ばなければ切腹を真正面から見る事ってあんまりない。
自分が良ければそれで良い、他人へ同情すればその伝聞が広がりきりがない。
事情知らないとは言え、負の連鎖は止まらず、失うものは何もない。
数ある感情の中で怒り程強いものって無いなと改めて思った。
内で起きた事、全て綺麗にして、皆病死
死体の上に成り立つ藩の存続
ヒラリー

ヒラリー