パケ猫パケたん

フェリーニのアマルコルドのパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
4.5
そうそう、人生の充実した一年って、こんな感じで過ぎてゆく。あの春風に吹かれてみたい。あの綿帽子を掴みたい。

フェデリコ・フェリーニ監督、後期の傑作。娯楽性も高い。

チッタ少年と家族を中心に描いているものの、時として、フォーカスされる人物は、街で抜群な美魔女であったり、個性豊かな教師たちであったり、超ボインな女将さんであったり、その時物は、秋の大きな薪であったり、豪華な客船であったり、海であったり、雪であったりと、自由闊達で極めて魅力的、独創的である。

映像随想であり、笑いの小ネタ集・映像美の小ネタ集として楽しめる。

まず、暴君ネロの母である、淫乱すぎるアグリッピナの没年が、AD69年って何だよw シックス○インかよ。

美女グラディスカ(いかがですかw)の太股は、オイラも触りたいよ。あと、上沼恵美子さん似のおっぱいを吹いたら、そらダメだってw

神父が、キリスト教の根幹である三位一体の教えを説いている、瞬間に逃げ出すとは、悪ガキたち過ぎるだろw

教師たちは、それぞれ個性的であり、カリカライズされていて、いつ観てもお見事。そういった確かな教養の蓄積が、街に文化文明を残していく。

性を享受し、追求する、憎めなく可愛らしい街の人々。生命とは借り物なのかも。人類は営営と遺伝子を残していく。

照明の極みの暗い町並み、霧の中の白い牛、ビニール製の揺れる海、雪の中の孔雀、季節を連れてくる疾走する黒いバイク、そして綿帽子に溢れる空、そのフェリーニの芸術センスに息を飲む。
   
同時に作風として、フェリーニの滲み出る、生命の絶対的な肯定、その作品の香り、優雅さ、優しさ。そして、綿帽子を掴みに行く。

【生誕100年 フェデリコ・フェリーニ映画祭】 にて