デンマークのナチスと闘う、レジスタンスの男達。
原題の「フラメンとシトロン」は、主役ふたりのコードネーム。
赤毛に青白い容貌で冷徹に“仕事”をこなす青年・フラメンに対し、繊細で、常に顔中脂汗をかいている、妻子持ちのシトロン。
任務優先ゆえに、夫婦関係が破綻してしまうシトロンを、マッツ・ミケルセンが哀感たっぷりに演じている。
また、フラメン役トゥーレ・リントハートの、感情を押し殺したクールな殺し屋も印象的。
愛国心でナチス協力者やゲシュタポを攻撃する彼等が、次第に指令する上層部や仲間に対し、疑心暗鬼に陥っていく。
誰の為に闘うのか。
果たして自分達の行いは正しかったのか。
ゲシュタポの執拗な追跡と、衝撃の結末。
「ハイドリヒを撃て!」同様、実話を基にした重厚なサスペンス。
秀作。