げんき

東京ゴッドファーザーズのげんきのネタバレレビュー・内容・結末

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

1人の赤ん坊を中心に3人のホームレスが家族や近縁の人との問題を解決していく、その序章部分。

実際に問題を解決したのはハナだけで、ギンはハナの手助けがどのように左右したのかは見せていない。けど、おそらく解決するだろう。
ミユキのラスト。病室で父親との再会を果たし物語は終わるわけだけど、これは感動の再会とは言い切れない。キヨコを通して「子を思う親の気持ち」を疑似体験し、さらには自身の口から親子の関係について説得する、という経験を踏まえたミユキ。親を傷つけてしまった過去から顔を合わせられない後ろめたさを抱えながら、病室で再会し父娘の関係にどんな答えを出すのか。
そんな余韻を残すラスト。

可愛がっていたネコの記事を見ただけで、父親に対する想いを払拭できるかは怪しいけど、その曖昧さあっての締めくくりなのかな。絶妙なバランス。


暗くて、現実と妄想が交差してこそ今敏かと思ってたけど、こういう話も上手。この作品は現実の中に妄想ほどの奇跡という感じ。一見温かい話に見えるけど、暴力団の抗争や赤子窃盗、ホームレスに対する社会の姿勢、水商売など、暗い面が多い。
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