今敏監督作品。脚本は「COWBOY BEBOP」などの信本敬子。
これまで、夢と現実の混沌などの、どちらかと言えば精神的なものを取り扱ってきた今敏監督作品としては、そのようなものがない異色作ともいえるかもしれない。
しかし、エンターテインメント性も高く、とても面白かったです。所々あるコミカルな演出。特に今さん映画特有の独特なキャラの顔からくる驚いた時の顔芸がとても面白かったです。ゴミ捨て場に捨てられたところを聖夜にホームレース3人組に奇跡的に拾われた赤ん坊清子。その後も神の恵みのように奇跡の連続で紡がれるドタバタコメディ。
台詞の一言一言から発したキャラの背景が滲み出ながらも面白い会話劇もとても良かった。個人的には3人とも大好き。ついでにタクシードライバーの人もなんか好き。モブキャラにも命を吹き込む今敏さんらしい、リアルな人々の描き方がとても効いた作品であると思った。
これで、今敏さん監督作品すべてのレビューを書いたわけだけど、やはりこの人はエンターテインメント路線でも、ミステリー路線でも実力を発揮手出来る人だと思う。宮崎駿が日本アニメ映画版スピルバーグなら、この人はクリストファー・ノーランだと思う。ダーレンアルノフスキーさんが大好きなのも分かりまっせ。(でもレクイエムフォードリームであのシーン丸パクリしたのは許さんぞ!)
本当にこの人の作品に生きているうちに出会えてとても良かったと実感したのであった。改めて合掌。