『アラバマ物語』のロバート・マリガン監督が手掛けた青春ドラマ。
1942年夏。ニューイングランド沖合の島を訪れた15歳の少年ハーミーが、美しい年上の女性ドロシーに憧れを抱く。
"My first lay is gone with the wind."
淡く、美しく、甘酸っぱいひと夏の思い出。いわゆる大人への通過儀礼を描いた作品で、性への好奇心が旺盛な思春期の青年たちが、初体験をしようと躍起になる。医学書を夢中で読んだり、薬局に買い物に行ったりするシーン🍦を、ニヤニヤしながら観た。
オープニングから流れるテーマ曲が、エンディングかと錯覚させるほどの切ない空気感を醸し出す。成年男性のナレーションの台詞からして、このひと夏の経験を、良かった想い出というより悲しい想い出として捉えているように感じた。
調べてみると、本作は原作者ハーマン・ローチャーの実体験をほとんど忠実に再現しているらしく、登場人物の名前さえ変更していないらしい。ドロシーと別れた後、ローチャーは身内の不幸が重なったこともあり、あの一晩の出来事がトラウマとなって長年苦しんだのだそうだ。
ヒロインのジェニファー・オニールには、可愛らしさと大人の女性としての美しさの両方があった。そしてあの思わせぶりな振る舞い。ズルい。そりゃ、惚れますよ。
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