河豚川ポンズ

バーレスクの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

バーレスク(2010年製作の映画)
5.0
圧倒的歌唱力と美しさとカッコ良さでぶち上げていく映画。
キリが良い本数なんで好きな映画をやっていくシリーズ。
たぶんシェールを初めて見たのはこれが初めてだったと思う。

歌手になることを夢見て田舎町からロサンゼルスにやって来たアリ(クリスティーナ・アギレラ)。
そうは言っても行く宛もない中で「バーレスク・ラウンジ」というバーラウンジに立ち寄る。
そこで彼女はきらびやかなショーで華麗に歌うテス(シェール)に思わず見とれる。
自分の居場所はここしかないと確信したアリは、このバーレスクで舞台に立つために働き始めた。
そしてついにそのチャンスはやって来るのだった。

正直最近は歌手というよりもオーディション番組の審査員とか、後進の育成を頑張ってるイメージのクリスティーナ・アギレラだけど、この頃は本当にとにかくノリにノッてたとき。
まあ案の定演技力はお察しな感じだけど、そんなことなんかは些細な問題だと言わんばかりに1曲目から圧倒されるような声量と歌唱力で度肝を抜いてくる。
特にマイクを切られてでも歌い上げるシーンはめちゃくちゃ心が震える。
声のカッコ良さも合わさって本当に男前。

どの曲でも凄まじい存在感で歌い上げるのだけれど、それに負けじとタメを張っていくのがもう一人の主人公とも言えるテスを演じるシェール。
さすがにクリスティーナ・アギレラほどの曲数は無くて2曲だけしか歌わないけど、それでも強烈に印象に残る。
このときでシェールは60過ぎのはずだけど、こんな堂々としてるおばあちゃんは絶対いない。
そもそもおばあちゃんと言って良いのか。
というか今シェールって70近いのかと気づいてしまって震えた。

作風もミュージカルと言えばミュージカルだけど、たぶん多くの人が考えるようなものよりかは常にショーの一幕という形をとってるからずっと見やすいはず。
自分もこれを観て、本格的に色んなミュージカルに手を出し始めたのをよく覚えてる。
ミュージカル入門でこんな傑作をいきなりぶち当てるのは少しかわいそうかも知れないけど、それでも最初に観るのなら間違いなくこれを推すほどに素晴らしい映画。