優しいアロエ

バーレスクの優しいアロエのレビュー・感想・評価

バーレスク(2010年製作の映画)
2.9
 新米の歌い手が圧倒的な女性リーダーのもとで切磋琢磨するバーレスク版『プラダを着た悪魔』。スタンリー・トゥッチの役どころもほぼ一緒である。

 ミュージカル映画は音楽よりむしろ映像美が卓越していることが多いと思っているが、今作の映像はそれなりによかった。白くぼんやりとした感じが全体に及んでいて、夢を掴む場所に合ったファンタジックな映像だった。

 内容は、主人公が仕事や恋、人間関係に振り回される標準的な成功譚。ただ、主人公の資質が高く、割と早い段階でトップに駆け上がってしまったのは残念。そこからさらに上のステージを目指そうとするわけでもなかった。後半は、ジャックとの恋模様をはじめ人間関係が中心になっていたが、そこまで興味深くなかったし、テーマがあちこちにぶれていて心に残らなかった。

 ニッキというライバル的な女の子もいるんだけど、あまり主人公とは絡んでこず。主人公とニッキがもっと刺激しあうような展開がほしかった。

 また、話の流れから推測できるような心情もセリフなどで明確に伝えていて、観客とひとつひとつ確認しながら話を進めている印象があり、個人的にはそこも微妙。

 魅力的なシーンもあったが、全体としては決して夢をもつ若者を奮い立たせるような作品ではないと感じた。
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