やんげき

バーレスクのやんげきのレビュー・感想・評価

バーレスク(2010年製作の映画)
-
バーレスクショーに行ってみたくなる!これこそショームービーのお手本。

地方からLAに出てきたアリ(クリスティーナ・アギレラ)が、ふらりと入ったバーレスクショーに一目で心奪われ、ショーガールとして才能を開花し潰れそうな店を救う。という筋書き。

一見サクセスストーリー風だが、主人公アリは、アイオワのウエイトレス時点で、顔面の整い方、一目で撃ち抜かれるキュートさ、抜群のスタイル、パワフルな歌唱力と全ステータス完ストしてるので、さながら異世界転生もののような印象を受けるが、ショームービーとしては最高の仕上がりになっている。

磨き上げられた美しいショーガール達の肢体と艶やかで楽しい演出、キレキレのダンス。歌と踊りの全てのシーンに一部の隙もない。バーレスクショー自体がどんなに素晴らしいものか本作を観ればその片鱗を知る事ができる。
だが、本作はそこで止まらずディーバであるクリスティーナ・アギレラが歌を付加する事で更に高いレベルのショーへと昇華させている。彼女の圧倒的な歌声に、マーカスでなくてももっと凄い所で歌うべきでは?と思わせてしまう凄みがある。

本作はさらに、名優スタンリー・トゥッチと女優、歌手いずれも一流のシェールのエピソードをつぶさに入れることで映画としての厚みを増している。ミュージシャンキャストによる音楽映画の難点に、どうしても映画としての演出やストーリーが薄くなってしまうことが挙げられるが本作はそうした点も見事に解消しているのだ。ストーリーとショーパートのバランスも(ミュージカルとしては)優れており、スター頼りにしない端正な作品になっている。
やんげき

やんげき