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パリ、ジュテームのめるのレビュー・感想・評価

パリ、ジュテーム(2006年製作の映画)
3.3
「愛」をテーマにした短編オムニバス


さまざまなパリの姿を見ることができました。私が想像していたようなキラキラしたパリだけではなく、ちょっぴり怖い面もありました。

2時間に18本の短編映画が詰まっていて1本は約5分なのですが、面白いものからつまらないものまでいろいろありました。


ずば抜けて面白いと感じたものはなかったのですが、印象に残っているものをいくつか挙げておきます。
(星マークはそこそこ気に入ったもの)

☆「セーヌ川岸」
セーヌ川のある風景はやっぱり綺麗ですね。主人公の男性がイケメンでイスラムの女性も美しかったです。フランソワの考え方に感心しました。お父さんが優しそうな人でホッとしたラストです。

「チュイルリー」
怖かった。パリの暗黒面を見ちゃった気分になりました。主人公の男性の顔も怖かったのですが、大物俳優さんらしいですね。申し訳ないです。

☆「バスティーユ」
私も赤いトレンチコートが欲しくなりました。切なかったけれどあたたかい物語でした。

「ヴィクトワール広場」
主人公の女性の顔に見覚えがあったので名前を確認したら、ジョニー・デップが出ている映画『ショコラ』で主演をしていたジュリエット・ビノシュという女優さんでした。
あと、この短編の監督は日本人の方でした。

☆「エッフェル塔」
とても個性的な作品だったので一番印象に残っちゃったかも。『IT』を見たせいでピエロが不気味に見えるマジックにかかってしまったのですが、視覚効果が面白くて癖になる作品です。まぁ、ちょっとクスッと笑えちゃうんですけど。

☆「マドレーヌ界隈」
ピエロに引き続き激しく印象に残っている作品のひとつになりました。主人公のイケメン男性はイライジャ・ウッド!(代表作『ロード・オブ・ザ・リング』は集中力が持たなくて覗いただけ。)吸血鬼の目が気持ち悪かった。血の色が蛍光色で絵の具みたいでした(笑)

☆「ペール・ラシェーズ墓地」
強烈な印象があるというわけではないのですが、男性の情熱的なキスとエンディングが良かったのでお気にいりにしました。
この主人公の男性も見覚えがあって『ツーリスト』の偽アレクサンダー・ピアースだとすぐに気づきました。(高校の同級生に似ていたから覚えていたのかも。)
話が終わっても「絶対にこの男の人こんなことを言ってるけどつまらない人だろ」と決めつけていたらエンディングで愉快な人間になっていたのですごくホッとしました。

「フォブール・サン・ドニ」
ナタリー・ポートマンだったのかぁ。物語はよく分からなかったのでもう一度見ようかなと思いました。前半と後半の詩的な表現の台詞は良かったです。

☆「カルチェラタン」
短編の雰囲気としては一番好きかもしれないです。ベン・ギャザラとジーナ・ローランズが出ている!!このふたりの映画は見たことがないのですが、私の好きな俳優のピーター・フォークの自伝によく名前が上がっていたので、ピーター・フォークの古くからの友人だとは知っていました。それもあってか、このふたりの熟成された味わい深い演技にとても引き込まれました。何年も共に生きてきた夫婦という関係が当たり前のように目の前に見えるのがすごかったです。


エンディングで何人かの人々が幸せそうに笑っているのが嬉しかったです。(吸血鬼になっちゃったイライジャ・ウッドが気になったけど、この話はファタジーみたいなものだからその後の話はなかったのかな。「カルチェラタン」のふたりの家族構成がなかなかやばくて笑ってしまった 笑)

エンドロールの歌が素敵だなと思いました。
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