バナバナ

歓びを歌にのせてのバナバナのレビュー・感想・評価

歓びを歌にのせて(2004年製作の映画)
3.6
持病の為に引退した有名な元指揮者が、自分の幼い頃に暮らした小さな村に戻ってきて、そこの聖歌隊の指揮を請け負う事から物語は始まります。

田舎だから、村人達は朴訥としてのんびりしているのかと思いきや、
商売熱心な人はお金の話ばかりして押しが強いし、
「あの人、私よりモテて腹立つ。絶対依怙贔屓されてる」なんて、
嫉妬はやっぱりあるしで、一筋縄ではいきません。

特に、地元の牧師さんの嫉妬深さが尋常ではない。
先日観た「ヤコブへの手紙」の牧師さんと比べると、同じ北欧なのに月とスッポン。
欧米人が対人でスキンシップするのは普通だと思うが、ここの男女は日本人みたいに、やたら意味深に考えるのが不思議だった。
やっぱりヨーロッパの中でも北のド田舎だから、そこら辺の感性が違うのか?
まるで、学校に若くて恰好いい教育実習生が来た時の様なテンションの上がり方だった。

女性陣も、ガブリエラは夫のDVがあるから歌に救いを求めるのは分かるが、牧師の奥さんやレナは、いかにも性欲が強そうで怖かったw。
ただレナは、誰にでも優しく素直だから、自分の気持ちを正直に出す人…という感じだったので、まだかわいさはあったけれどねw。

主人公がこれだけ女性から迫られても、すごい草食男子ぶりだったのだが、「やっぱりあれが気になってたのね」と私は思えたが、
その伏線を忘れてる人には、単に主人公が奥手だったからとしか思えなかったかも。
ここら辺の見せ方が、ちょっと弱かったかな。

ラストのハミングは、主人公が田舎でやりたかった事、
「人々に音楽で幸せを味わってもらいたい」を、文字通り体現している名場面だったと思います。
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