ガブXスカイウォーカー

アラビアンナイト シンドバッドの冒険のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.1
スパイコウモリ、巨大ロック鳥、空飛ぶ電気クラゲ、クライマックスの洪水など見どころは用意されてはいるが、さすがに1962年の製作だけあって今観ると盛り上がりに欠ける。せめてレイ・ハリーハウゼンのシンドバッド三部作のような魅力的なモンスターたちを暴れさせてほしかった。
だが勝気で美しいサミール姫と可愛らしいアリーは特筆ものだ。作画もディズニーのフルアニメに挑戦しただけあってよく動くが、やはり東映動画の劇場用アニメ映画が開花するのは翌年の『わんぱく王子の大蛇退治』であろう。

吹替えは、アリー:黒柳徹子、アブダラ:太宰久雄(『男はつらいよ』シリーズのタコ社長)が目を引くところ(はっきり言って太宰はへたくそ)。ハムディ船長:滝口順平(故人)、ヤシム:辻村真人、サミール姫:里見京子、トルファ大臣:川久保潔など後の有名脇役声優たちはまだまだおとなしい。そんな中、アーマッド王:永井一郎(故人)の声と演技はすでに完成されていたことに驚かされる。