リサフランク420

祭りの準備のリサフランク420のレビュー・感想・評価

祭りの準備(1975年製作の映画)
3.8
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4/14/2017

1975年の本作だが、ぼうっと見始めたらなんだか70年代っぽくないぞという気がしてよく見てみると、石原裕次郎の『錆びたナイフ』や小林旭・ペギー葉山の『南国土佐を後にして』、島倉千代子の『からたち日記』、売春禁止法などのキーワードから50年代後半(たぶん58年)の話だと気づいた。
しばしば美化されがちな昭和の田舎のイメージとは対照的に、本作の舞台となる街には秘密もプライバシーもあったものではなく、しかも寝取り寝取られでタブーにまみれている。もちろんその中に人のつながりや温かさもあるのだが、このしがらみを断ち切るべく青年は上京を決意した。祭りの準備とは、まあ何やら燻っているのもまた準備期間ということにして、来るべき祭りを夢みることにしたといったところか。
最後がまた良いんだ。上京が人生最大のイベントだった時代というのがあったんだな、としみじみ感じ入る。
『(秘)色情めす市場』の芹明香が相変わらず妖しくて目を引いたが、他の女性陣も魅力的だった。

追記 1/24/2018
絵本「ジャリおじさん」の大竹伸朗が若い頃に影響を受けたらしいと聞いてビックリ