継

ゴッド・アーミー/悪の天使の継のレビュー・感想・評価

3.9
眼球の無い遺体。
解剖の結果,被害者には元々眼球が存在せず, 更に半陰陽(=両性具有)な事が判明。着ていたコートからは本来存在しないはずの章を含む手書きの聖書が。
管轄外の事件に呼ばれた元聖職者の刑事·トーマス(コティーズ)は, その章の解読を進める内に遺体を「天使」と確信, 人類を危機に陥れる戦いに巻き込まれていく。。


1994年製のダークホラーアクション。
賛美歌が響くオープニングの, 仄暗い教会の揺らめく灯りに照らされる天使の彫像からして雰囲気◎。

神の寵愛を受ける人類に嫉妬し, 天界で反乱を企てる大天使ガブリエル(ウォーケン)
その野望を阻止すべく地上に舞い降りた天使シモン(ストルツ)
その戦いに忍び寄る,天界を追放された堕天使ルシファー(モーテンセン)。

一般の “天使のイメージ” 通りな, 最も美しい天使と称されるルシファーやシモンのキャスティングはさておき,
上述のグロい遺体やガブリエル役をウォーケンが演じてるのには失礼だけどビックリΣ(゚∀゚ノ)ノ!

後発の類似系『コンスタンティン』では, ティルダ・スウィントンが見目麗しく演じてた役どころ,なのに
例の蒼白く生気の無いお顔で “俺は天使だが子供を殺せる、町も破壊するし少女の体も平気で引き裂く…” なんて言っちゃう今作の凶悪天使ウォーケンww.
『ベルリン・天使の詩』のガンツ天使の優しさなんかこれっぽっちもありません(笑)

キリスト教では最後の審判の際にラッパを吹き, 死者を甦らせる天使とされるガブリエル。コレを下敷きにしてシュールな笑いを誘うシーンや, 椅子の背もたれとか有り得ない場所にちょこんと座る通称 “天使座り” 等々ユーモラスな面まで持ち合わせて,
主役は一応トーマスなハズ(笑)なんだけど, シリーズ化した次作ではターミネーターばりに登場して当然の様にその座を奪う圧倒的な存在感。ウォーケンの起用あってこその作品だなーって観る度に思います。


それまで無かった世界観と天使像で構築したストーリー.
語られるばかりで安っぽく姿を見せたりしない「神」は, それ故に絶対的存在である事を物語るようだし,
終盤の舞台となるのが先住民の地・チムニーロックで, マリアという名の先住民の子を救うのが(教会じゃなく)祈祷師の祈りだったり, トーマスが一度は捨てたハズの「信仰」について考えざるを得なくなっていく…なんてのが裏テーマ?なんでしょか。

そんなの含め正直ストーリーはゴチャゴチャ混み入ってるんだけど,カメラワークが時々カッコ良かったり上述のウォーケンの魅力を持ってして繰り返し観れてしまう映画📀,です。
継