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閉ざされた森のsayaのレビュー・感想・評価

閉ざされた森(2003年製作の映画)
3.5
嵐の中で訓練に出たレンジャー部隊7名が行方不明になり、密林地帯から救助された2名の隊員を尋問するのですが、お互いの証言に大きな食い違いがある物語です。
魅力的な謎の提示から始まり、次々と明らかになる新事実、どんでん返しの連続で娯楽映画に徹した作りになっています。
ひとつの出来事を複数の人物の視点から描いていく『羅生門』のような構成なのですが、登場人物の嘘が物語を混乱させてひっくり返すギミックとしてしか機能しておらず、作品を通してのテーマとは特に結びついていないのが残念でした。
どんでん返しだけを目的にしてしまうと、それまで培ってきた観客と登場人物の信頼関係が台無しになってしまいますし、丁寧に積み重ねてきた物語の展開が全て茶番にしか思えなくなってしまいます。
首謀者がここまで手の込んだ仕掛けをする必要があったのかも正直疑問ですね。
物語の雰囲気は良いですし、難しいことを考えずに暇つぶしで観るにはすごく最適な作品です。
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