さよなら僕のマクガフィンたち

地獄の警備員のさよなら僕のマクガフィンたちのレビュー・感想・評価

地獄の警備員(1992年製作の映画)
3.4
劇場激混みでしたが、スクリーンで鑑賞できて幸せでした。

我が子を喰らうサトゥルヌスがテーマとして出てくるが、同じ話なのだろうかとは疑問に思う。富士丸は猜疑心や恐怖から殺人をしているのではなく、単に殺人を義務のように、食事のように繰り返しているように思えるからだ。

「お前はまだ本当の俺をわかっていない」

というセリフがあるが、そう言われると深く考えてしまうが、単なるサイコパスモンスター以上には思えなかった。

安っぽかったり、ツッコミどころはあるが、黒沢清監督独特の気味の悪さは健在で、警備室をはじめとしたオフィス全体の薄気味悪さ、松重豊(とにかくデカイ!)や大杉漣の不気味さも素晴らしい。
殺し方が、バット、ロッカー、熱湯、電気などバリエーションに富んでいるのも、映画としては魅力的である。