◆あらすじ◆
成島秋子は商社に就職し、絵画取引の部門で働き始めるが、同じ日に入社した巨体の警備員・富士丸は不気味な雰囲気を醸し出していた。富士丸は早々に本性を現し、会社の関係者を殺害し始める。残業のために会社に残っていた秋子も富士丸と遭遇してしまい...。
◆感想◆
シリアルキラーの警備員が次々と人を殺めていく様子を描いた作品となっており、不気味な警備員が最初から異常な行動を繰り返していく緊迫感のある展開を楽しむことができました。
主人公の成島秋子(久野真紀子)を始め、商社の社員はかなり癖が強く、秋子にときまとうようにそれぞれ行動していくのですが、本作は基本的に殺人鬼の警備員の行動がメインであるため、そこに至るまでの社員たちのやりとりは少しグダグダしているように感じました。
一方、警備員の富士丸(松重豊)は最初から異質な雰囲気を醸し出しており、元力士で殺人犯であることが示されていることもあって、富士丸のシーンは常に緊迫感と陰湿さを感じるようにできていて良かったと思います。巨体で元力士という設定からパワフルな殺傷行為は彼の粗暴さを現していて見ごたえがありました。
本作の肝となる富士丸の殺人シーンではあまり直接的に残酷な映像になっていないため、もう少し映像として残酷さを出してほしいように思いましたが、苦手な人には見やすいものになっていました。
黒沢清監督の作品としては珍しいストレートなものになっていて、普通に面白かったです。
鑑賞日:2024年10月11日
鑑賞方法:Amazon Prime Video