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地獄の警備員のcのレビュー・感想・評価

地獄の警備員(1992年製作の映画)
3.5
狂った警備員がビル内の人間を殺してゆく黒沢清映画。
古びたビル、暗い照明、足音の響く廊下、とにかく不気味なシチュエーション!灰色めいた画面には、人間のシルエットだけが色づいているように思う。

恐怖と同時に興味も迫りくる。頭のおかしい人間と対峙して、初めて人間ってものへの本当の興味がわくのではないか。そして頭のおかしいとはどういうことなのか、どんどん分からなってゆく。ひとみの奥に隠されているものも外されたネジってやつも本当は何も無い。あるのは無。死も恐怖も無いとしたら?そんな人間と出会ってしまったら?サイコで片付けてしまうには恐ろしい〜。黒沢清の映画って、だいたいにおいて最終的にはヒューマン映画として見てしまうね。
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