メル

エヴァの匂いのメルのレビュー・感想・評価

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
3.7
ヴェネチアの社交界で高級娼婦として名を馳せるエヴァ。
彼女の一番好きなものは「お金」、嫌いなものは「年取った女」。
気まぐれでどこか退廃的なエヴァに魅せられた男たちは一文無しになるまで貢いでしまう。

新進作家のタイヴィアンも美しい婚約者がいながらエヴァに魅了されてしまった男の一人。
彼は婚約者にも言えない自分の生い立ちや過去をエヴァには話せる。
自分と同じ匂いをエヴァの中に感じ取ったのだろうか。
でもエヴァにあるのはお金への執着心だけで男に興味は無い。

自分のために身を持ち崩した男を「惨めな人」と吐き捨てるエヴァ。
そして一番嫌いな「年取った女」に一歩ずつ近づいてる自分。

30代半ばのジャンヌ・モローの魅力が全開です。
音楽はあのミシェル・ルグラン、そこも聴きどころ。
監督のジョセフ・ロージーは「召使」でも人間の奥底の心理を上手く描いてますね。
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