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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!のTEPPEIのレビュー・感想・評価

4.6
祝、エドガー・ライト監督本格ハリウッドメジャー作品ヒットスタート。全米でただいまヒット中の最新作「Baby Driver」はこれまで以上に上映規模の大きいエドガー・ライト監督の最新作であるが興行的にも批評的にも好調なスタートを切っている。「アントマン」を監督するとも発表され撮影前に電撃降板が記憶に新しい。最近のスター・ウォーズの状況も見る限り、ディズニーと即興性のある監督はとことん合わないらしい。むしろエドガー・ライトは完璧主義だ。カメラアングル、フレーム、音響、細部までこだわっているのが伝わってくるのがこの「ホット・ファズ」である。日本では署名活動にて公開が実現した本作だが、期待以上の面白さを提供してくれた。度々隠れた名作としてリバルバル上映してくれたりもするのだが、とにかく大画面がオススメ。パンチのあるキャラクターとエドガー・ライトが仕掛ける脚本の上手さとたまらず反応してしまうマニアックなネタの数々。「ステップフォード・ワイフ」とかも好きだろう絶対。エドガー・ライト監督は大好きな監督の1人でもあり、彼が生むキャラクターと奇想天外な物語はいつも新鮮的で面白い。「ホット・ファズ」の場合はビッグバジェットでは生めそうにもない好き勝手が存在している。しかもその好き勝手が心地よく、残虐なのに笑えちゃったりする。サイモン・ペッグをはじめ、ニック・フロスト、ティモシー・ダルトンとモブまで抜かりがない。エドガー・ライトが相当な通だとしてもそれはタラちゃんの部類とはまた違う。例えばタランティーノは伝統的な部分を面白く見せるのがとても上手いが、エドガー・ライトは伝統的なものを味付けするのが上手い。
総評として「ホット・ファズ」は映画ファンが喜ぶ要素が詰まった面白い映画である。誰にも作れない映画…その一つに十分なっている。
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