選挙の作品情報・感想・評価

選挙2006年製作の映画)

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製作国:

上映時間:120分

3.6

「選挙」に投稿された感想・評価

選挙って何なんだろう。本質を突く作り。字幕もナレーションもない、観察映画の手法はこちらが何を読み取り、何を考えるか、常に試される。
ダス

ダスの感想・評価

3.1
主人公である山内候補の人柄の良さと自民党のムラ社会的な姿が対照的で面白い作品になるだろうという意図で撮られたという本作品。
監督の意図は成功している、しかしこの山内候補、政治家になりたいというだけで特に政策も何もないように思える。政党のおかげで当選確実というなんとも言えない状況。これでいいのか日本の選挙、本当に山内候補でいいのかと思いながら、空回りする山内候補に親しみを覚えてしまうのは、監督の思惑通りなのだろう。
小泉政権時の川崎市議会議員補欠選挙に立候補した山内和彦氏を観察したドキュメンタリー。自民党候補で勝算はあるが、政治に関しては全くの新人で余所者なために地盤も知名度もなく党からの援助はあっても資金が潤沢とは言えない山内候補。乗っている軽自動車はボロく仮住まいも狭い。地域の運動会や祭りに顔を出して平身低頭ペコペコしている。そんな彼が単独で選挙演説をしたところで、たかだか市議の補欠選に足を止めて聞き入ってくれる人などほとんどいない。チラシを受け取ってくれれば儲け物。まずは名前を認知させるしかない。選挙の度に「うるさいだけで無意味だろ。」と言われる選挙カーの名前連呼には意味があるのだ。そうせざるを得なくしてるのは我々有権者の政治的無関心だ。一候補者の演説などわざわざ聞きはしないが、これが大物議員に引っ付いていたなら話は別。本作では当時の小泉総理も応援演説に姿を見せて最高数の聴衆に囲まれる。選挙時にこんな支援を受けた以上、意見の不一致があったとしても党に対して造反などそうそう出来なくなる。これも巡り巡ると有権者の責任ではないか。実は追っているのは山内氏ではなく、タイトル通り日本の選挙そのものの問題を炙り出している。

選挙を追う上で色々面白いことが見えてくる。妻のさゆり氏と一緒に選挙活動を行う山内氏だが、人前では妻ではなく家内と言うよう指示されている。さゆり氏が選挙カーでウグイス嬢をやった時は第三者は夫人と紹介してるのに本人は「山内の家内です」と言っているのはおかしな話。当人達も「家内って言葉は印象悪くない?」と思っているのだが自民支持派がと言うより日本全体が男系社会で通りの良い言葉なのだろう。またさゆり氏は共働きを辞めるよう薦められて「落選したら誰が保証してくれるんだ」と憤りを露わにする。これもまた内助の功を尊ぶ男社会の象徴的な出来事。選挙スタッフの様子にも目が向けられてて「自民と組んでるから公明党の新聞取らされてるのよ。お金は向こう払いで読みもしないんだけど」と正直すぎる発言を聞けたりする。

どういう意図で山内氏を取り上げようと思ったのかは知らないが、映画の被写体としては面白い人。東大出のエリートだが体育会系ムラ社会な政治の空気には馴染めていなくてよく怒られるし、選挙結果が出た時に天然と思える行動で偉い人たちに苦笑し呆れられている。また選挙が当時の民主党候補との接戦で結果が予想できないことが映画をスリリングにしている。これが負け確定の泡沫候補だとダメだし、地盤も知名度も金もある世襲議員の話でもやはり出来レースでつまらない。勝つか負けるか分からない状態で身を削って必死にやる姿に視聴者は自民党支持でなくても好感を抱くだろう。想田監督はツイッターを見れば分かるように現在の自民には明確な不支持を表明していて、ツイートを見てるとこの頃の自民も支持してたようには思えない。それでも映画は政治的中立であろうとしているように見える。観察映画と自称するようにナレーションや字幕は一切なく、ドキュメンタリーに詳しくない人が陥りやすい勘違いのように客観的な映画であるように思える。しかし何を撮って何を残して何を捨てたかは明らかに主観を持っていることを忘れてはいけない。閑古鳥だった山内氏の街頭演説も盛況だった時があるかもしれない。駅前のバス停で演説する山内氏を段々引いて映し出す冒頭のアバンタイトルはなかなか意地の悪さを感じたり。そうした意図を探りながら観るのも面白い映画。
inabow

inabowの感想・評価

3.8
ただただ対象にカメラを向けてるだけなのに笑わされ、考えさせられ、ちゃんと"映画"を観てる感覚になる。ただのドキュメンタリーではない"観察映画"というジャンル(?)は大発明だと思います。

本作は選挙活動を通して人間くさいコメディに仕上がってます。初見時はあそこまで熱中して観れるとは思いませんでした。
意味ありげな冒頭の改札機の描写など、何かを暗示するかのようなシーンも上手く間に挟まれててとても楽しめます。

想田監督の観察映画は不覚にもこの1作しか観ておりません…
どこの店いっても置いてないんです!
取り寄せてでも観たいと思います。
てつ

てつの感想・評価

3.4
この映画を見る前に、ウグイス嬢として地方の市議選に参加したが、選挙を真近で見ると、やはりムラ的な慣習に嫌気がさす。
「おらが村」的な考えは、政治と切り離せない問題なのかもしれない。だがそれも行き過ぎると、選挙がただの地域の祭りのように見えてくる。
この映画に記録されている事が、日本中で起きていると思うと、もううんざりだが、現場はもっと最悪で、自分の一票がそこに繋がっていることをせめてこの映画で共有したいと思う。
小森

小森の感想・評価

-
後援会とズブズブで、政策なんて二の次。兎に角良い印象が残るような態度でいることが大切。古い慣習を重視し、妻ではなく家内と言わなくてはならない。
自分が持つ政治家への不信感の正体が何となく分かったような気がした。振り回されながらもみんなにヘコヘコして、たまに愚痴っちゃう山内候補と奥さんには唯一人間味を感じた。
ルビー

ルビーの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

山内さんと奥さんに好感持てた。
この二人以外は気持ち悪かった。

奥さんは、もしかして、受かりたくなかったんじゃないかな。

面白かった!
タマル

タマルの感想・評価

4.0
そういえば市議選とか行ったことねぇわ、、、
そもそもいつやってたのかすら知らん。

以下、レビュー。

選挙時期なので鑑賞。
私は県から都心通勤の新興住宅勢のため、市議選とか市長選とかまっっったく関心がなかったので、本作は意外なこと、知らないことばかりで大変参考になりました。

例えば、自民党は地方に頑強な地盤(後援会)を持っていて、後援会の支持者たちは盲目的に自民党を支持してるもんなんだろうなと思っていたのですが、私が想像しているよりも遥かに複雑な人間関係があり、「地盤」なんて言葉で理解した気になっていたことを知ったり。対して、後援会との癒着があまりにも長かったために、候補者と支持者との間に不気味なルールが出来上がってしまっていることに違和感を感じたり。
以前なら知りもしなかったことについて考えるキッカケになりました。

ですが、そういった現実を見るにつけ、以前から思っていたような私と選挙との間にある隔絶の構造を再確認してしまったことも、ここに書き残しておきます。
要は、選挙なんてものは、結局は候補者と支持団体の二人相撲で、そうじゃない私のような地域と関わりがない人間が入り込む余地はないという事実を、この映画はありありと映し込ませてしまっているのです。投票率の病理は「選挙に行こう!!」 なんて単純なものでもないようです。

めんどくさいですが、選挙の時ぐらいは真面目に悩んでみるのもいいかもしれません。
オススメです。

「2005年版『選挙』」用語メモ。

【落下傘候補】
縁もゆかりもない地域から立候補した候補者。大体は党(航空機)の都合により投下されるのだから、その地域への思い入れなどない。


2005年当時、自民党は「官vs民」というスローガンのもと、小泉元首相が唱えた郵政民営化に反対する自民議員(官)に対し、彼らへの党公認を打ち切った上で、同選挙区から賛成派の自民党議員(民)を次々と立候補させた。もちろん彼ら(彼女ら)は落下傘候補である。
この郵政民営化法案を巡っての解散から総選挙集結までの流れを指して、マスコミは「小泉劇場」と揶揄したのだそうだ。
ちなみに希望の党現代表である小池百合子女史も、2005年当時は東京から立候補した落下傘候補(兵庫出身)であった。
本作は市議会議員選挙のため、以上のような経緯には直接関係しないが、当時を象徴する「造反」といったようなキーワードが聞かれる。

【ドブ板選挙】
選挙戦術の一つ。集会や街頭演説などで、一人一人に支援を呼びかけていく近接戦法。無理やり握手してくるので注意!!


これは「懐柔戦術」なのだが、現代においても何故か有効&有力である。この事実は、国民がどれだけ公約とその中身の信ぴょう性へ重きを置かないかが映し出されているといえるだろう。多くの国民が彼らの公約など読まないし、それの良し悪しを判断する頭脳も熱意も余暇時間も持ち合わせないのだろう。選挙にかかる経済的負担を考えるに、もうそろそろこの方法が通用しない世の中になってほしいものだが。。。
細野

細野の感想・評価

3.0
選挙活動のドキュメンタリーです。

怒られてるシーンが笑える笑

過激だなー。
ちょうど私が住んでる街でも選挙の時期。
名前を何度も連呼する。てめえらワザとやってたのか!!
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