あきしげ

ヅラ刑事(ヅラデカ)のあきしげのレビュー・感想・評価

ヅラ刑事(ヅラデカ)(2005年製作の映画)
3.5
“バカ映画の巨匠”河崎実。
本作では監督、脚本、製作。

河崎実ワールドが展開されます。
バカ映画というモノを魅せます。
これが河崎実ワールドなのです。

『着ぐるみ』シリーズはクソ映画です。
そう思わせるぐらい本作は良作である。

ムダに凝った登場人物の設定。
緩すぎる展開とほど良い笑い。
主人公だけがもの凄く真面目。
スケールが大きく小さい物語。

本作は河崎実の素晴らしい世界がある。
『着ぐるみ』シリーズは忘れましょう。

主人公の源田初男は“ヅラ”と呼ばれ、
必殺技モト・ヅラッガーを使用します。
彼は警視庁花曲捜査一課に配属される。

他のメンバーはかなり個性的です。

チビ刑事の鍋屋寛一にはなべやかん
デブ刑事の宇川厳太にはウガンダ・トラ
オヤジ刑事の大矢治五郎には浜田道彦
イケメン刑事の池田麺次郎には桐島優介
デカチン刑事の中東和平にはイジリー岡田
お茶運びのトンコの太田淑子には橋本まい
刑事部長/ボスの面堂啓介には中野英雄

全員個性的だけどいなくてもいい。

でも、みんな充分に個性を引き出されています。
これは河崎実監督だからこそできる事でしょう。
愉快な仲間という感じでとても微笑ましいです。

その中でヅラ刑事と行動するデカチン刑事。
思っていたよりも活躍の場面が多いのです。
テロリスト集団のアジトに忍び込んだ二人、
そこで本作において最高の名言が生まれる。

人質を取るテロリストに見つかると、

「今すぐそのカツラを捨てるんだ!」
「そっちの男もチンチンを捨てろ!」

この名言は本作を観た人なら分かる。

合間に流れるモト冬樹の哀愁漂う歌も、
いい味を出していて本作を盛り上げる。

河崎実ワールドを楽しめる本作。
思わぬ掘り出し物と言える良作。
本作こそがバカ映画だと言える。
良作としてオススメできる作品。

RE-177
あきしげ

あきしげ