TadanobuOzawa

コンタクトのTadanobuOzawaのレビュー・感想・評価

コンタクト(1997年製作の映画)
5.0
 20代後半に観ました。最も好きな映画の一つとして記憶しています。僕のハートムービーで、何度も観ていました。
 
 長い映画ですが、映像や演出、展開とテーマを咀嚼するスピードが、当時の僕に丁度良かったです。ロバートゼメキスさんが監督する事で、映画的テンポを殺さず、テーマと登場人物の心情を表現していると感じました。映画の作り手が、原作者の想いを大切に捉えているのだと思います。
 
 物語自体は、SFを媒体にしたヒューマンドラマで、人間が、自分を信じる力をテーマにしていると感じました。主人公エリーの生き方はとてもかっいいです。
 
 記憶が曖昧ですが、途中で、オーストラリアのアボリジニーと宇宙飛行士の会話シーンがあります。
 宇宙飛行士が「空にいる友達と話しているんだ」と言うと、アボリジニーが「僕らは、昔から毎日やってるよ」みたいな会話をします。短いシーンですが、ほっこりしつつ、底のない深さを感じるシーンでした。
 本当に記憶が曖昧で、他の映画のシーンだったら、ごめんなさい。

 さて、この原作者のカールセーガンさんは、NASAの惑星探査の指導者、天文学者、SF作家で、日本でも、1980年前後に「COSMOS」というTV番組が放映されていました。僕らが、ブラックホールやビッグバンなどという言葉を知っているのは、このカールセーガンさんがいたからこそです。矢追純一さんのUFO番組よりも時期は早かったはずです。
 
 そして、カールセーガンさんは、学者という立場から、このコンタクトにも出てくるSETIに発足時から実際に関わり、「地球外知的生命体探査」の研究も行った方です。
 だからこそ、この映画での設定が、無理があるのにスムーズで、説得力があるのかもしれません。もしかしたら、このコンタクトの物語は、公になっていないだけで、本当に起こった事なのかもしれませんね^ ^。
 また、晩年に書いた本は、「科学と悪霊を語る(新潮社)」なので、初めから、終わりまで、一貫したヒューマンドラマにも納得がいきます。いつか読もうと書棚に置いています。
 
 コンタクトの原作を読んでいない方に一つ伝えたい事があります。エリーが乗り込むあの装置は、本当は5人乗りです。
 不思議でしょぉ〜?