さすらい農場

ダーウィンの悪夢のさすらい農場のレビュー・感想・評価

ダーウィンの悪夢(2004年製作の映画)
3.3
THE 食育 : [食]から見る世界
1954年 アフリカ中央部タンザニアのヴィクトリア湖で、バケツ一杯分の魚を放流。
その魚[ナイルパーチ]は体長2mにもなる超大型淡水魚。たちまち大繁殖して在来種を食い尽くす。
生態系を破壊するナイルパーチだが、毎日のよう100t超を輸出する重要産業となっているというジレンマ。
そして、高級な魚肉は漁師や市民には手が届かず、慢性的な貧困と食料不足に悩まされているというイビツな状況。
現地の人が食べるのは加工後に残ったアラだけで、おぞましく不衛生な環境の中で生活している。
何やら、生態系の破壊がその地の人々の生活・社会全体まで破壊しているようにも思える。
ナイルパーチの輸出先は、主にヨーロッパや日本。私たちが食べてる[白身魚]の正体だったりで、他人事では無いわけで…
グローバル化という[搾取]の構造が見えてくる。
武器密輸や紛争問題にも関わる世界の病巣。湖の水を全部ぬいて解決する問題では無い。