ガスパール（ジェラール・ダルモン）とロバンソン（ヴァンサン・ランドン）は失業して、南仏の浜辺で食堂を開こうとしていたが、ある日、ロバンソンが置き去りにされた老女ジャンヌ（シュザンヌ・フロン）を連れてくる。ガスパールは不満ながらも共同生活が始まるが、ロバンソンはさらに生活に困った母子を救おうとする。
失業、離婚、老いからの孤独や貧困が描かれ、かなりくらーい雰囲気になりそうなところだが、どこまでもほのぼのと温かい作品だった。
錠前屋だった2人は知り合いの家に忍び込むんだけど、そこで勝手に宴会しちゃう場面が最高！夜中に声を殺して悪いことしてる時って、なんかハイになって笑いが止まらないんだよねー。
それに、おばあちゃんもお尻にペンキ着けちゃったりして可愛くて面白い！
磁石男のロバンソンと、文句を言いながらも付き合うガスパールというこの2人は、世紀の名コンビだろう。
ロバンソンは社会の弱者でありながら、別の弱者のために自分を捨てて助けようとする。それを嫌い咎めるガスパールは “現代社会の人々” を代表してるんじゃないだろうか。
そんな彼を、実はとっても心優しい人物に設定することで、人間の良心を信じようというメッセージが感じられた。
そして、エンディングはちょっと切ない。
家庭は性に合わないというガスパールは、後をロバンソンに任せたように見えるけど、また家族を失うのが怖かったんじゃないかな。
