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若草物語のSPNminacoのレビュー・感想・評価

若草物語(1949年製作の映画)
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クラシカルなテクニカラーの美術セットに、ボリュウム感たっぷりなドレス。特に土と雪の混じった冬景色、はらはら舞い散る紅葉のセットが凝ってた。出てくるツリーやケーキも少女漫画みたいにロマンティックで、貧しい家といってもこちらには充分ゴージャスに見えちゃう。ジョーの屋根裏部屋に憧れる。最も美しくかけがえのない若い季節を、風景の移ろいと重ねて印象深かった。
ジューン・アリスンは柵を大股でヒョイと飛び越え、バタバタ駆け回り、ガハハと低い声で笑う、少々ガサツなくらい元気一杯なジョーである。成長したジョーはぐっと落ち着いた佇まいに変わるが、感情表現豊かなアリスンの演技は最後まで瑞々しくキュンとときめかせる。エリザベス・テイラーのエイミー(こちらが三女でベスが四女になってる)はコメディエンヌ的に気取った愛嬌を振りまいて、それもなかなか美味しい。ベス演じるマーガレット・オブライエンも巧いけど、どうしても北島マヤに重なってしまった…。
もちろん4姉妹の他に母や叔母といった女性中心のドラマなので、男性キャラクターはサポート役。まあローリーの食えなさ加減が味わい深く、これをシャラメがやる新作が目に浮かぶ。
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