ジャッキーケン

リトル・オデッサのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

リトル・オデッサ(1994年製作の映画)
3.6
全盛期エドワードファーロングと「アドアストラ」のジェームズグレイが描く殺し屋流鬱映画!

脳腫瘍を抱えてる母親、絶賛家庭内暴力父親、殺し屋を営む兄貴
随分と疎遠していた兄貴が大事な仕事のために地元に里帰りするのだが…

エドワードファーロングが愛おしくなること間違いない1作であるが!
ニューフェイトの心の傷が癒えてないおれにとってはやめてくれぇ!!!シュワちゃん助けて!!って叫びながら見ていた!

兄貴がヤバいやつだとロクな目に合わないエドワードファーロング、「アメリカンヒストリーX」の元ネオナチのノートン兄貴のせいで最悪な結末になってしまうのだが本作もティムロス兄貴のせいで最悪なことに…

鬱映画オールナイトの力もあってか終盤までは長らく疎遠になってた兄弟が久々の再会で兄貴と幸せにしているヒューマンドラマとしてウットリできるがこの映画は俗に言う急転直下型鬱映画。終盤怒涛の悲劇が襲い掛かる

殺人シーンの呆気なさが妙に現実的でアクション映画的なドラマチックな銃撃戦は全く展開されない、だがその呆気なさが最後の最後にまさかの鬱伏線となっていて呆気ない。死ぬべき人が死なず生きるに値する人間がなぜ巻き添いを喰らわなきゃならないのか、ヘビーな1作でした。