うーる

ヴェニスの商人のうーるのレビュー・感想・評価

ヴェニスの商人(2004年製作の映画)
3.9
最近になってようやくシェイクスピアに興味を持つ年頃になって視聴。これ、喜劇なんだよね?台詞回しは綺麗だし男装の麗人(ちょっとかわいい)、公明正大な裁判のいわずと知れた名作ではあるのだが、時代背景を差し引いても反ユダヤが酷すぎてちょっと引いた。あと指輪を奪い取って行って旦那をこれでもかとなじる女って怖い。

映画としては文句なし。アル・パチーノのシャイロック。ダンディなアントーニオ。 見た顔だと思ったらジェレミ・アイアンズって奇蹟がくれた数式のハーディ教授だったのね。テレビシリーズのエリザベスも見たわ。
再現の正確性は知らんが、服装やら当時の文化を知るにも興味深い。

それだけに原作の黒さが際立って、えげつない作品だと感じる。もっとこう、シャイロックがガチガチの悪人に書かれてればマシだったんだろうか。正当な主張を言葉巧みに交わす裁判というだけならいいんだが、根本的なユダヤ人差別に、クリスチャンの慈悲と言いつつ結局財産は取られるし、まるで喉元刃をつきつけて改宗を迫るオチ付き。アル・パチーノがうまいから、同情心が湧くんかしら?でもそれならむしろ嫌われ役を徹底しなきゃいけないよね。
映画の感想じゃなくなって来てるんでこの辺で。
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