日中戦争から帰還した小津が最初に監督しヒットさせたホームドラマ。
父の死を発端に家族に繋がりの希薄さが露わになり、崩壊していく様を描いた物語です。
キネマ旬報で自身4度目の年間ベストワンを受けるなど…
カラー着色版で再見した。前半の音声の乱れは酷かったのだが、後半からは色彩も含めて素晴らしく、小津安二郎監督の戦後集大成となった「東京物語」とも相通じる家族の肖像が巧みに描かれ既に小津調は完成していた…
>>続きを読む父の死をきっかけに解体してゆくブルジョワ大家族を描き出した家族劇。
東京の最高住宅地の豪邸。父・進太郎の妻の還暦を祝うために、二人の子どもたち一同が集まっている。未亡人の長女、長男と妻、次女と夫、…
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上流家庭が父の死をきっかけに残された家族が崩壊していく様を残酷に描き出す。
父の遺した借金のため家屋敷を手放し、母と三女は5人の子どもを頼り身を寄せるが、長男宅では嫁に邪険にされ、長女宅でもキツい…
どぎつい、あくの強い作品。
血を分けながらして、家長が居なくなった途端皆急に血の通わないような強烈な冷たさを帯びるのが人間の醜悪なところ。
世間体が第一に出てくるばかりで、温情主義的でちっとも憐憫…
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小津安二郎5本目。
今作もまた金と親子にまつわる嫌な話だった。
音が悪すぎた。山中貞雄『河内山宗俊』よりはマシだったけど、話の輪郭は掴めても細かい部分がぼやけてしまい誰にも感情移入することなく終わっ…
ブルジョワ一家の父を失った老母と未婚の娘だけが行く宛なく兄弟の家をたらい回しにされ、一周忌で天津から帰ってきた佐分利信兄が激おこ!な気まず〜い法事の雰囲気とか、兄嫁三宅邦子のピリピリいびりとか、なか…
>>続きを読む上流階級の部分的没落って云う上手いとこを突いてくる筋。ベースになる米映画の元ネタがあるらしいけど、流石に小津色に染まってる。居候になると立場が逆転するやつで、憂さを晴らせない方のモヤモヤ感の積み上げ…
>>続きを読む松竹株式会社