三樹夫

宮本武蔵の三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

宮本武蔵(1961年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

関ヶ原の戦いで豊臣側につき負け戦を味わった宮本武蔵(新免武蔵)が追手から逃げて故郷に戻るが、結局追われ山狩りにあい、沢庵和尚から説教くらって、姫路城に幽閉され野獣から人へと生まれ変わるまでがこの1作目。柳の下にドジョウは二匹でも三匹でもおるが信条の、矢継ぎ早にシリーズものを作っていく東映が1年に1作のペースで制作するという、 贅沢な制作体制で挑んでいる。音楽は伊福部昭で、得意の伊福部サウンドが鳴り響いている(最初のクレジットを見ずとも、BGMだけ聞いて音楽は伊福部昭だと分かる)。
映画の内容は、武蔵(たけぞう)がひたすら逃げて逃げてというのと、沢庵和尚の説教がメインとなる。大人数に対して武蔵が刀振り回して逃げるという殺陣があるが、作中チャンバラのシーンは少ない。

野獣から人になるというのは、武蔵というのは簡単に人を殺し、生命を軽んじ、己が死ぬことさえも軽視するような人物だったのが、木にぶら下げられ死への恐怖が芽生え、最終的に姫路城の暗室に幽閉され学問を学ぶ。そこで生命の重さや死への恐怖を噛みしめ、そして2作目へとなる。
沢庵和尚というのが、悟ってんのか俗物なのか、本気なのかとぼけているのかなんとも不思議な人物で、存在感を放っている。
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