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ウェディング・バンケットのRのレビュー・感想・評価

ウェディング・バンケット(1993年製作の映画)
4.5
アメリカに住む台湾人ウェイトンはゲイで、サイモンという白人の彼氏と同棲してる。見た感じウェイトンがタチでサイモンがウケ。この時点で見てる側のちょっとしたステレオタイプを裏切ってくる。普通イメージ的には白人タチのアジア人ウケだよね笑 一人息子のウェイトンは、台湾の両親に、はやく結婚して孫を抱かせてくれと急かされ、結婚相談所に登録までされてる。そのゴタゴタを解消するため、両親がアメリカに訪ねてくる際に、アメリカで永住権を得たがってる女ウェイウェイと手を組んで結婚を偽装することをサイモンが提案。アメリカに到着して、結婚の話を聞いて大喜びの両親。だが、彼らは是非とも台湾流の盛大な結婚披露宴を開くことを望んでて、話が大きくなっていく…って流れで、前半は一個前に見たバードケージのような、親への偽装を実行していくプロセスがユーモラスで面白く、サイモンも友人として一家と一緒に食事をしたりしてるのに、全然ボロが出ないので、おおー、うまくいきそう、で、偽装のふたり、しゃあないから、もう披露宴という大波も乗り切ってしまおうって感じになるんやけど、披露宴のあと酔いに任せてとんでもないことをしてしまい、それがまさかの結果につながってしまう。披露宴のシーンでは、台湾風結婚披露宴が興味深く、日本式のに似てるけど、畏まってなくて騒ぎ方が尋常じゃないので、こっちのほうが楽しそうでいいなと思った。ゲームも面白そうやったし。台湾人って披露宴のあとは新郎新婦のホテルルームにやってきて大騒ぎするんやね。そこで麻雀やり始める人らとかおるし。まじカオス笑 後半は、それまでのトーンが一転して、さまざまな問題が彼らに降りかかり、感情がもつれ、真実が破裂しそうになる。ここからが正念場。この人たちどうなっていくんやろー、まさかのバラバラ…そうなったらやだなーと思ってたら、またまた意外な方向に話が進み始める。見てる間じゅう、こちらの持ってる固定観念をいろんな形で次々に裏切っていくのがめちゃくちゃよく出来てて、しかも、一番最後に一番大きなステレオタイプを破壊するシーンが待っている! それに関しては私がステレオタイプとして意識すらしてなかった部分なんで、びっくり&衝撃やったし、とても大きな感動を覚えた。そりゃそーだよなーそんなん全然ありえるよなーと。で、最後は、とても切ないけど、めちゃくちゃいい終わり方。ウェイウェイとママがそれぞれ涙してるのがすごくハートに響いた。ウェイウェイとママの不思議な関係、ホントに良かった。人間の愛情には、どこの誰でどういう関係だから、みたいなバリアは本来存在しない。それがすごく丁寧に描いてあった。説得力があった。素晴らしかった。この丁寧さはほんとアンリー独特だなーと思った。むちゃくちゃ好きな監督のひとりです。てか、アンリーってもしかしてゲイ? ブロークバックも監督してるし。93年にこんなゲイ映画撮ってるし。ってこれもステレオタイプですかね?笑 演出丁寧なクセに題材が尖りすぎやわこの人。不思議な人や。
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