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レッド・バロンのyaaaのレビュー・感想・評価

レッド・バロン(1971年製作の映画)
4.0
こーまん。
〇―マン。
ロジャー・コーマン監督で「赤い彗星シャア」の元ネタ、第一次世界大戦のドイツ軍のエースパイロット・マンフレート・フォン・リヒトホーフェンを描く。
ロジャー・コーマンといえば「安い、早い、まあまあうまい」のプロデューサーとしての手腕は有名だが、監督としてもそんなもんかいなと思ってたら。
意外と画面・内容とも安くはない。
ワイン片手に戦う相手に敬意を表し正々堂々と戦うリヒトホーフェン様。
空中戦になると熱くなりすぎるリヒトホーフェン様。
華麗な戦歴から軍の広告塔に祭り上げられるリヒトホーフェン様。
飛行機フェチなところもおおいにあって機体にムラムラするリヒトホーフェン様。
迷彩色の機体に乗ってコソコソ戦ってられるかと真っ赤な機体にして存在感アピールするリヒトホーフェン様。
同じ部隊にはのちのナチの幹部ヘルマン・ゲーリングもいて大人版スネ夫みたいな嫌な奴。
それらが実機を使った本物の空中戦の合間に停滞することなく描かれる。
実際に俳優をコクピットに乗せて飛行機飛ばして撮るカットがバンバンあって全然安くない。
錐もみして墜落していく飛行機や一回転して敵の後ろにつくなんてのを実機でやる空中戦は見もの。
「俺が撃墜王になる!」みたいな安い話は展開しなくて、正々堂々と戦う騎士道精神は廃れ、騙し討ちもデフォルトの大量殺戮上等の非情な世界に突入していく様を冷淡に映す社会派コーマン監督の眼光は鋭すぎる。
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