黒人裁判映画。この類いの作品では「黒い司法」や「マーシャル」がありますが未だに問題の根深さを感じさせます。上記２作品とは異なり、子供視点を基本に描いている。この作品の良いところはやっぱり「不条理」なところです。不条理さを裁判以外にも描いているところが良いです。
1960年代の映画ですが裁判シーンが完璧だと思います。今でも十分に通用する緊張感、俳優たちのセリフの間だけで魅了されます、多いに脚本力もあると思いますが。子供視点から見た世界、最初は子供同士の遊びのはずが、次第に子供の視点からでも違和感が出始め、黒人問題を浮かび上がらせているのも良いです。
この作品、若干視点がぶれている気がしました。子供視点で基本的に描いていますが、裁判パートだけは大人視点。そのため、どっちつかずな印象になってしまいました。また、ラストのサプライズ人物は映画のテーマとして必要ですが名前だけ出てきた人物だけに誰やねんとなってしまいました。
音楽が良く、子供が遊ぶパートはトイストーリーの音楽のオマージュ元でしょうか。聞き心地として似ていました。
【総評】
脚本と俳優の演技、音楽が良い映画です。映像的にあまり見どころが無いのは残念ですが、「マーシャル」と同じくらいには好きです。
